のとしし肉について

生産者・消費者Q&A『猪のオスは臭い?』

生産者・消費者Q&A『猪のオスは臭い?』

生産者が消費者の方々の質問に答えるQ&Aコーナー。

前回に引き続き、今回もジビエで定番の『におい』や『くさみ』について。

 

Q.雄の猪肉は臭いってホント?

という質問に対して、回答していきます。

 

Q.雄の猪肉は臭いってホント?

 

A. あくまで個体によりますが、繁殖期において一部のオスで脂身が独特の匂いになる個体もいます。

 

基本的な「臭み」については、前回の回答をご覧ください。

適切に処理された猪肉は全く臭みはありませんが、個体によっては12月末~2月末ごろまでに捕獲されたイノシシのうち、一部の成獣の雄において、脂身や全身が独特の匂いを放つものがいます。

匂いの有無は捕獲時内臓摘出時に分かります(いつもと違う匂いなので一発で分かります)が、一度冷やして解体してしまうと、それ以降は匂いの有無は加熱してみるまで分からなくなります。

匂いの原因は繁殖期において雄が雌を引き付けるためのフェロモンだと考えられており、全国的に年末~春にかけてイノシシの繁殖期となるため、この時期は匂いのある個体が稀に捕獲されます。

 

 

どんな匂い?

 

内臓摘出の段階と、処理&精肉した後での匂いは違いますし、あくまで主観的な感想なのですが、

内臓摘出時は『運動部の部室のような汗臭い匂い』+『鼻にツンとくる薬品のような匂い』の2つが合わさったような匂いで、処理&精肉した段階で調理した時には、『麝香(じゃこう)のような匂い』だと感じました。

周りの女性からは「森の匂い」「香水みたいな匂い」「甘い香り」という感想が聞かれましたが、雄の発するフェロモンであるせいか、人でも男性よりも女性の方が気になる匂いなようです。そのため男性は気にせず食べられても、女性は気になって食べられないということもありました。

 

この匂いの元は揮発性成分になるため、薄くスライスしたものを「焼く」などの加熱を加えたり、ミンチやソーセージなどに「加工」してしまえば、匂いは飛んで無くなります。

ただし「煮る」や「蒸す」という調理や、「焼く」でも厚切りの肉を調理した場合などは匂いが残りやすくなります。

 

 

弊社としては

 

匂いのある個体は内臓摘出の段階で分かる為、すべてミンチやソーセージなどの加工品の材料として利用しております。

 

とはいえ、匂いのある個体の割合は高くなく、50頭に1頭いるかいないかくらいかの割合です。

そもそも、この時期の雄の成獣はヨロイ(肩〜背中にかけて固くなった脂で、雌を巡っての雄同士の喧嘩で急所を守るもの)があることが多く、その部分の脂身は固く美味しくないため、皮むきの過程で全て削り取ってしまいます。

その関係でブロック肉やスライスとしても見栄えが悪く、またそのような雄はスジも固いため、匂いの有無に関係なく雄の成獣の肉は加工に回すことが多いです。

 

 

匂いのある個体が獲れてしまった場合

 

猟師の方などで、たまたま捕獲した猪が匂いのある雄だった場合。

とても悲しくなりますよね。。気持ちはよーく分かります。

 

そういう時は、以下のように処理してみて下さい。一般家庭での処理でも、多少は匂いが少なくなります。

(1)内臓を出して頸動脈を切って2~3日逆さ釣りにして十分に血抜きする(最高気温が10℃以下となる日のみ)

※寒すぎて一日中凍ってしまう場合は不要、代わりに(2)の日数を長くする

(2)皮むき&解体後に、冷蔵庫(チルドや氷温)にて4日~7日放置する(この時、各部位を半分くらいの大きさに切っておくとなおよい)

 

まずは上のように捌いて、そのうえでスライスで食べてみる。

それでまだ匂いが気になるようであれば、ミンチにしてハンバーグなどで食べて下さい。

 

 

臭い肉を貰ってしまった場合

 

貰ったイノシシの肉が臭かった場合は・・まずは『調理で臭みは消せる?』の内容を試してもらうとして、、基本的にはミンチにしてしまい、味の濃い調理で食べるのが一番です。

なにしろ自分で捌いたものでないため、その捌き方や、肉の鮮度も分かりませんから。

 

おすすめの食べ方は、「麻婆豆腐」「カレー」「チゲ鍋(味噌ベース)」など。

あとは、真夏と厳冬期だけですが、スライスした肉をソミュール液に漬けて乾燥、それを燻製して「ジャーキー」にしてしまうのも良いですよ。

燻製は段ボール箱を加工してスモーカーを作れますし、マンションのベランダなどでも作れるので、機会があればぜひ。

 

 

 

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