今回は弊社で扱う猪(のとしし)の『シンタマ』部位について説明します。
肉の特徴や、切った時の断面、調理した時の食感などに触れていきます。
シンタマはどの部位か?
弊社において、猪肉の部位は以下のように分けられます。(点線は内側です)
この中で、『シンタマ』というのは以下の部位になります。
大まかに言えば『後足の前モモ部分』ですね。
隣接する部位としては、シンタマよりも内側に「ウチモモ」、外側に「(外)モモ」、上側に「ランプ」、足先側に「スネ肉」があります。
実際の精肉後の、見た目は以下のような感じです。
上の図と同じく、猪の左後足のシンタマ部位となります。
右上がランプ、右下が外モモ、下がスネ、そして右の裏側がウチモモに隣接していたことになります。
シンタマの特徴
シンタマの特徴としては、以下の3つが挙げられます。
1.形がいびつ
2.スジがほぼ無い
3.少数の大きな筋肉束で構成されており、柔らかい
1.形がいびつ
上の写真を見ていただいても分かるように、前モモの部分であるため、端は細くて真ん中は太い、いびつな形をしています。
ロースなどは綺麗な長方形ですので、どこで切っても同じ大きさになりますが、シンタマはそうはいきません。端は細く真ん中は太くなってしまいます。
また、これは肉だけでなく脂についても同様で、脂が付くのはシンタマの前側のみ。他の部分は別の部位に接している為、脂はつきません。
2.スジがほぼ無い
しかし、肉としてはスジがほぼ無い部位となります。スジがあるのはスネ側に繋がっていた部分のみ。
スジ取りが不要なのは調理のしやすさにつながります。
とはいえ、スネと繋がっていた部分は軟骨(いわゆる膝の皿)にくっついていたため、太いスジがあります。
この部分だけはどうしても硬さが感じられますので、調理する際は取り除いてから調理することをオススメします。
3.少数の大きな筋肉束で構成されており、柔らかい
また、スジが少ないだけでなく、大きな筋肉で構成されるため、食べた時に筋膜の固い食感が気になりにくい部位です。
場合によってはロースより柔らかいこともあり、夏場など脂の乗らない個体のシンタマを使ってハムを作っているお店もあります。”イノシシの旨み”と”柔らかさ”が両立できるようです。
一方で、ちゃんと歯ごたえもあるため、『しっかり食べたい』という方にはオススメです。
切った時の断面を紹介
最後に、シンタマのスライスを元に、シンタマの断面を載せておきます。
赤線が切った部分で、その下が断面となります。
断面:その1
ウデと同様で、スネに近い部分ではどうしても脂身が薄くなります。
一方、このスライスでは含まれませんが、肉の断面に膝の皿と繋がっていたスジが見えることもあります。
断面:その2
膝から少しだけ離れると、脂身が付いてきます。
断面:その3
肉の真ん中ではこのような断面となります。
脂身が増え、筋肉の束も太くなり柔らかいため、ステーキにも向きます。もちろん鍋にも最適ですよ。
断面:その4
ランプに近づくにつれて、さらに脂身が増してきます。
ですが、脂身の形も歪なため、鍋などの形にこだわらない調理法の方が合うかと思います。
以上、猪(のとしし)の『シンタマ』部位の説明でした。
ご購入を検討されている方は、参考にしてみてください。
また、その他の部位などについて質問がある方は、『お問い合わせ』からメールかお電話でご連絡くださいませ。